榊の豆知識

  • 榊の語源について
  • 本榊とヒサカキの違いについて
  • 地域別の榊の祭られ方について
  • こぼれ話

榊の語源について

「榊」は暖地の山林に自生するツバキ科の常緑樹です。
神社で祭られるのはもちろんのこと、家庭の神棚にも供えられ、月に2度、1日と15日に取り替える習わしになっています。
字を見てもわかるとおり、榊は「神」と「木」を合わせた字ですから、神さまに関わりがある木ということになります。代表的な神木とされており、神事にも多く使われています。
榊の語源については諸説あり、神さまの聖域と人間世界との「堺」を示すための木、つまり「境木」が転じたという説や、「栄木」あるいは神聖な木を意味する「賢木(さかき)」が転じたとする説があります。もともと榊は固有の植物名ではなかったようで、のちに特定の木をさして榊と呼ぶようになったようです。

榊の語源について

出典:『神社と神道の基礎知識 質問集』のホームページ http://jinja.jp/faq/list.html
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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本榊とヒサカキの違いについて

「本榊(Cleyera japonica)」は、東海より南の比較的温暖な地域で生育するため、関東より北の地域では類似種の「ヒサカキ ( Eurya japonica )」 がサカキとして代用されています。ヒサカキは本榊と同じツバキ科ですが、属が異なり、本榊はサカキ属で、ヒサカキはヒサカキ属です。
ヒサカキの由来は、その大きさが小さいことから「姫榊」とも、サカキでないことから「非榊」とも言われています。「サカキ」だけでは、「本榊」か「ヒサカキ」か、どちらなのかわからず混同しやすいため、ヒサカキは、「シャシャキ」「シャカキ」「下草」「ビシャコ」「仏さん柴(しば)」などと地方名で呼ばれることもあります。
また、本榊はヒサカキと違い雄雌同株であり、例え同じ地域に何百年間も生育していても品種が交じり合うことはありません。学術的には完全に区別される別属の植物で、他のツバキ科の植物と同様に、合いの子は存在しないのです。

本榊とヒサカキの違いについて

本榊とヒサカキを見分けるには、葉の縁の形状を見ると一番わかりやすいです。「ヒサカキ」の葉は小さく、縁が鋸歯(きょし)のようにギザギザになっているのに対して、「本榊」の葉は、表面がツルツルしていて、縁の部分は全縁(ぜんえん)と呼ばれ、滑らかな曲線になっています。しかし、幼木では、葉の縁が鋸歯のように、ギザギザになることがまれにあります。また、「本榊」は、茎の先の芽(冬芽といいます)が、「爪状」に尖っており、これも見分けるポイントのひとつです。

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地域別の榊の祭られ方について

一般家庭の神棚に祭られる榊の種類や大きさは、地域によってまちまちです。
関東より北の地域と北陸では、神棚用の榊として、主に「ヒサカキ」が使われますが、東海より南の地域では、「本榊」が使われることが多いようです。また、東海より南の地域では、仏花や墓花の裏当て用として、一般的に「ヒサカキ」が使われており、その呼び名は地域によって異なっています。
これらについて、大まかにまとめたものが以下の表です。

地域 神棚用 仏花や墓花の裏当て用
関東・北陸 ヒサカキ 本榊もヒサカキも使われていません。
中京 本榊 主にヒサカキが使われており、チラなどと呼ばれています。
関西 本榊 主にヒサカキが使われており、下草やビシャコなどと呼ばれています。
中国・四国 本榊 主にヒサカキが使われており、ササキなどと呼ばれています。
九州 本榊 主にヒサカキが使われており、シバなどと呼ばれています。
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こぼれ話

本来のサカキは、学名がCleyera japonicaである植物を指し、神棚にはこのサカキをお祭りするのが本当の形です。ですが、古来サカキが生育していない地域では、サカキの代用品でまかなわざるをえませんでした。
すると、その地方では神棚に祭る植物が、「サカキ」と呼ばれるようになりました。
つまり、地方によって「サカキ」の指す植物が違ってきたわけです。神棚にお祭りする神ノ木「榊」として扱われる常緑植物が、その地方では「サカキ」なのです。そのため、地方によって「サカキ」は、ヒサカキであったり、椿であったり楠であったり、さらには杉である地域もあるのです。

こぼれ話

このような事情があるために、本来のサカキを指すために、わざわざサカキの上に「本」とか「真」を付けて区別する必要が生じたようです。
物流網の発達により本榊が全国に流通するようになり、一般消費者のお客さんが「サカキ」を自由に選ぶことができる時代になりました。これにより、ある地域で「サカキ」と思われているものが、他の地域では「サカキ」ではなかったりすることが起こるようになりました。
ご当地のお客さんのニーズに合った「サカキ」を店頭に置くために、売り方には地域の事情に合わせて工夫することがとても重要です。
「たかがサカキ、されどサカキ」・・・・ 知れば知るほど、興味深いですね。

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